日本最大級のサイクルイベント ヒルクライムの頂上決戦!

第22回 全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍



日時:20078月25〜26日 天候:晴れ  気温:25

会場:長野県乗鞍高原

主催:長野県松本市、(財)日本サイクリング協会(JCA)
後援:長野県教育委員会、(財)長野県体育協会、日本自転車振興会
    (財)自転車産業振興協会、(財)日本自転車普及協会
    (社)自転車協会、中日新聞社、長野放送



Photo by 信州ふぉとふぉと館

◆矢沢みつみ

●使用BIKE: SPECIALIZED S-Works ターマックSL カーボン

昨年はMTBの部での初優勝。
万年2位の座からの,初めての脱出。
タイムは女子総合1位の1”12”30ほど。
初めて手にする乗鞍での優勝がとてもうれしかった。
 
そして迎えた,今年の乗鞍。
抽選で出られない人がいるほど。
申込み時期,MTBにしようか,ロードにしようか,かなり悩んだ。
結局選んだ初めてのロードでの挑戦。
タイムは伸びるのか,どのくらいで走ることができるのか,どきどきと不安がいっぱいだった。
今年の目標は優勝と,自己記録更新,又,女子での10分の壁を破ること!!
 
昨年に比べ,夏に乗りこめる時間が少なく,もっと乗りこみたいという気持ちが大いあった。
理想とする練習量に達していないという焦り,8月上旬に行われた中国でのアジア選手権からの疲労,練習で思うように最後まで走りきれないいら立ち。
いろいろな要素が重なって,正直,「乗鞍出たくないなあ〜。」と,レース2週間ほど前に思ったほどだった。
レース当日に向けて調整をしていく中で,弱い自分とも向き合い,いろんな方の励ましも受け,気持ちも体調も上がり調子になってきた。
乗鞍1週間前に調整がてら出た,短いヒルクライムレースでは,今までで一番力強い走りができた。
ここまで追いこめるんだという,自分の新しい一面をみた感じがし,夏の間のSY-Nak cabinでの高地合宿後も,最後の1週間は仕事との両立をうまくし,体調を万全に整えるように心掛けた。
 
今回の大会に出るにあたって,ROVALのカーボンホイール07モデルを使用。
レース1週間前から,ターマックSLにこのカーボンホイールをつけ,練習にも使用した。
乗りだしから違いがすぐ分かるほど,一こぎの進みがよく,力をうまく伝わらせてくれる感じが,素晴らしいと感じた。
乗り味は最高に良く,パフォーマンスアップには,機材の重要性も大きいと感じた。
 
当日の朝,アップは短め。
ローラーで20分ほど足を回した後,実走。
あまり,心拍は上がらなかったけど,気にせず終了。
アップ後の足の軽さは,去年並で,「今日はいける!!」と実感した。
 
スタート前,信州テレビのアナウンサーに,目標は?と聞かれ,「10分切りです。」と話した。
自分の中の実目標は1時間8分台。
でも,あまり大きなこと言ってもなあ〜と思い,これは,自分の中にしまっておいた。
去年の自分のタイムと,チェックポイントごとのラップタイムを考え,今年のイメージはばっちり!!
前半からがんがん行かないと,タイムには届かないと思っていた。
様子を見ながら・・・なんてことはしないで行こう!と決めた。
 
スタートは最前列に並んだ。
女子も力のある選手が勢揃い。
例年通り,チャンピオンクラスの1分後に全女子選手一斉でのスタートとなった。
号砲とともに,真っ先に飛び出した。
何も考えず,そのときの全部で走りたい!!そんな思いだった。
無心,無心・・・
自分のペースで走りきった。
コーナーごと,無駄がないようにインを攻め,周りにいる男子選手の間を抜けながら前へ前へと進んでいった。
去年より速いのか遅いのか,体感スピードは同じように感じるのだけれど,チェックポイントの通過タイムが,早いのを確認した。
この感じでどんどん行けば目標タイムにも届くだろう・・・と感じながら,走り続けた。
 
はじめのうち,後ろにいた女子選手の気配は感じなくなり,その時出会った,いいペースの男子選手とのやりとりで,引いたり引かれたり・・・
そしてまた,ちがう選手に追いつき・・・そのくり返し。
走りながら,自分も走っているのに,応援してくれる選手もいて,「ありがとう〜。」なんて言いながら,またまた,がんばろうという気持ちで走れた。
 
むむっと思ったのは,第2チェックポイントを過ぎたあたりだった。
微妙に心拍が下がり気味で,スピードが上がらなくなってきた。
斜度があるのか,回転と進んでいく感じのバランスが明らかに今までとちがう感じ。
くるくるしている割に進まない・・・とほほ。
それでも,ふめるところでは踏んでいくようにし,周りにいる選手からは絶対に離れないようにしようと,それだけは強く思いながら走った。
 
ゴールまで後1キロ。
テレビのバイクが,「ペース配分,ばっちりでしたね!」なんて,コメントを求めてきたけど,それどころじゃない。
「今,記録との戦い何ですけど〜!!」って心の中で叫びながら,最後のスパート。
目標タイムでゴールすることができた。
 
今までになく,ゴール後の安堵感は大きく,なんとも言えないほっとした気持ちになった。
その後,わき上がってくる喜びで心が満たされていった。
山頂も暖かく,晴れわたり,ヒルクライムならではの満足感もとても味わうことができた。
 
今回のレースを通して,メンタル面が今までよりもほんの少しだけ強くなれたような気がします。
応援して下さったみなさん,ありがとうございました!!


今回の秘密兵器
SPECIALIZED rovalホイールを投入

参加者約4000名
人気、参加者共に、日本最大級のヒルクライム・サイクルイベント



女子クラスは、総勢約230名の選手が一斉スタート



標高2600m、大雪渓を背に、ゴールを目指す
Photo by
信州ふぉとふぉと館

SPECILIZED S-Works Tarmac SL


◆中込 由香里

●使用BIKE: SPECIALIZED S-Works ルーベ カーボン

大学で自転車競技を始めて、間もない頃、この大会に参加した。
あれから、20年余りが立ち、再びその地に立った。

ロードレース、MTB、と途中専門種目を変える事となったが、地元開催の、春先に行われる、ツールド八ヶ岳には、積極的に参加してきたが、ヒルクライムは別のカテゴリーという感じで、それに向けてのトレーニングをしなければならないし、第一8月最終の週末は、ペンションを閉めてくるのはなかなか難しいので、これまで出場は考えなかった。

昨年辺りから、ペンションにトレーニングに来てくれるお客さん達の間で、ヒルクライム対決がとても盛上がってきた。
それが、羨ましくて、また本気で対決出来るライバルに事かかないので、仲間に加わらせてもらった。

クロスカントリーより、競技時間が短く、コースの変化も少ないこの競技は、自分のクロスカントリーのレベルを上げる為にも強化しなければならない部分である。
そして、その結果はタイムという形でしっかり現れる。

大会前日に受け付け。
いつもの大会とは違った、華やいだ雰囲気。
続々と集まってくる自転車愛好家達の多さにワクワクする感じだった。

大会当日は、晴天の最高のコンディションとなった。
苦手な前半を、トップと極力差がつかない様に頑張る事と、あとは自分をどこまで追い込めるかへの挑戦。
どれくらいのタイムで走れるか。

自分で見たゴールタイムを見てまずはは、「おー、私もこれ位出せるんだ」と思った。
仲間に刺激を受け、仲間とトレーニングする事によって、ここ数年の中では、成長出来てる自分を感じられた。
それでも強化しなければならない部分は露骨に表れた。
そして、ライバル仲間達は、とても良い記録をだしていた。

矢沢のすばらしいコースレコードを初め、またまた自分にたくさん火をつけてもらった。
こうした仲間がたくさんいる事に感謝し、これからも皆で盛上がって、お互い切磋琢磨しながら、上を目指していきたい。

応援頂いた皆さん、ありがとうございました!




雪の上では、スキーを楽しむ人達の姿も



スタート地点から望む朝日に輝くゴール地点


大雪渓を過ぎると、ゴールまでは長い直線
Photo by
信州ふぉとふぉと館


超軽量ロープロファイル設計で、ダイレクトに力を伝えられるLook Keoカーボンペダル



◆Resalt  20km標高差1260m

 ●女子A            117名 

1 矢沢 みつみ  1時間08分10秒 (女子コースレコード)
 ●女子B            107名
1

中込 由香里

 1時間10分54秒

 ●男子チャンピオン     272名
1位 宮崎 新一   57分15秒
 ●MTB男子          472名 
1位 中込 辰吾  1時間03分41秒 (MTBコースレコード)
 ●MTB女子           64名
1位 田近 郁美  1時間15分37秒



Photo by
信州ふぉとふぉと館


Photo by
信州ふぉとふぉと館


辰・中込 裏レポート

今になっては、遠い夏の思い出の様な気分の乗鞍ですが・・・・・4000人以上の申込みが1日で締切りになる程、人々を引きつける乗鞍の魅力

興味はあったけれど、さすがに8月の週末はねぇ・・・・一応ペンションですから
でも、やっぱり一度は行っとかないとね
で、今年は申込みが抽選なので、SY-Nakメンバーやお客さん達と団体申込み
エントリーは4月
でもって、勢いでボクも走る事に決定!
4月と言えば、まだ全く走っていない脂の乗り切ったフレッシュな状態
なので、目標立てるにも、全く目安がない。
とりあえず、決意した4月の次点での目標はドンッと55分
その後走り出し、徐々に現実が見えてきて、目標を
全クラストップタイム ⇒ 1時間切り ⇒ 1時間5分 ⇒ 完走出来れば良いかな? ⇒
と、こちらも本番が近づくに従い、予定通り着実に下ろして行く?

今回は、勿論MTBクラスにエントリー
何故なら、MTBが好きだから、って言うのもあるんだけど、ロードを軽くするには金が掛かる。
MTBでシングルギアって人は居ないと思うので、それもまた面白そうだ。
ギヤを取るか重量を取るか?
重量を取ったわけね
いやっ、ギヤを取って、重量を選んだが正解

シングルギアには色々とメリットがある。
・軽量化できる。
・ギア選択に迷うことなく、問答無用で1枚ギアで走れる。(走らなければならない)
・ディレーラーを通さないので、力をダイレクトに後輪に伝えられる。
・上り専用ギヤなので、大勢でロード練習に行くと、上りが好きになる(平地や下りがやたらキツイので、上りに来るとホッとするから)
・話題性(ちょっと期待外れ)
・いざとなれば、言い訳にもなる。(これ重要)


当日朝、スタート地点から見上げる朝焼けに輝くゴール地点
あそこまで、自分の力で上るのか
走る前から達成感十分?

前半の緩斜面でスピードに乗せて行きたい所だか、後半にあわせたシングルギアでは、ケイデンスを上げ切れないので、出来れば誰かペースメーカーになってくれないかなぁ
そんな事を思いながら、スタートの号砲一発飛び出したのは、一人の選手
明らかにチャンピオンクラスよりも速いであろうスピードで猛ダッシュ!
しかも、Tシャツ短パンだ。
Tシャツには穴が開いている。
申し訳ないけど無視
その後をマイペースで前を引く
最初のコーナーを過ぎ、Tシャツ君をパスしてマイペースのまま進むが、うーん、いまひとつペースが上がらない。
今回のポイントは沢山
ペダリング1つとっても、昔は無意識でやっていた事が、レーシングな走りの頻度が極端に少ない今では、常に意識を向けていないと狂ってしまう。
左右に体重をかけるポイント、腹圧先行のスイッチ感覚、力をかける位置、抜く位置・・・・・・

意識する事で、日頃の生活も変ってくる。
例えば、歩く事一つとっても、左右に体重を移すタイミングを意識したり、出来るだけ無駄に筋肉を使わない様に意識したり・・・・リップとの散歩でも速く走るヒントは隠れている。
それぞれ詳しくは、また気が向いたら

そんな事を意識しつつ、第1チェックポイントを過ぎて、いよいよ本格的な上りに突入
そろそろ斜度的にもギヤがあってきたので、ペースアップ!
と思ったら、うぉっ!道がない!
基本的に皆さん、左側を走ってくれるが、時々現れる人の壁
3000人以上の人達が前を走っているわけだから、まぁしゃあないか
まるで動くシングルトラックの様で、そのラインを探しながら走るのも、これまた楽しかったりする。
勿論、走る人達の進路の邪魔にならない様にね
でも、シングルギアでのストップ&ゴーは、さすがに脚にくる。
中間地点を過ぎてから現れたつづらの急勾配地帯
でも、試走段階でチェックしていたから、シングルでもダンシングで何とかこなせる筈だもんねー
と思ったら、ここで計算違い発生!
人々は勾配のゆるい方ゆるい方へと流れて行き、空いているのはきついイン側一本
右に左にコーナーが続くが、やはり空いているのはイン側のみ
「う〜ん、ギヤ足りないんですけど・・・・(TT」
押したい気分だけど、我慢して何とかこなして行くと、第2チェックポイント
この辺りに来ると、高地民族の我々は、酸素の少なさよりも、空気抵抗の少なさの方が大きく感じる様になり、上るほどに走りが軽くなる。
絶景の景色も開け、気分も最高!
でも、前には大勢の人々で、よそ見してるとぶつかっちゃうし、無理すると崖から落っこちそう。
混んでる時は無理せず脚を休め、出来るだけリズムを崩さない事を心がける。
でもって、やってきましたゴール地点
タイムを見ると、1時間3分台
おっ、意外と良いでない
こんな事なら、1時間切りたかったなぁ

来年も出たいなぁ
やっぱりロード作っちゃおうかなぁ
4kg台のね
勿論シングル
でも、果たして本当にシングルが良いか・・・・良ければみんなやってるか

今回自分のパワーを考察すると、
平均出力:280w
パワーウェイトレシオ:5.3w/kg

単純にロードレーサー+体重による重量差が−3〜4kgとして、同じ条件にあてはめると、約−5〜7分
そこにコースクリヤーと集団走行を加えると、更に−2〜4分
そして転がり抵抗、抗力係数等、色々な状況を加味して考察すると、計算上は5分〜10分の短縮は可能性ありそうだ。
そうは言っても、計算通り行かないのが自転車だし、人生だからね
あの時ああだったら、こうだったら、あそこでこうしていれば、どうしていれば・・・・意味ないよね
反省しても後悔しない。
言うだけなら今のうち

うーん、本気になりたい。
でも、選手の頃は十分本気でやらせてもらってきたし、第一ボクの仕事はサポートする事
この何時でも言い訳できる位のこのポジションが、丁度良かったりはするけれど、やはり気持ちの何処かで今だ燃えカスが燻ぶっている
レースを目指し、久しぶりに味わうストイックごっこは、何か遠い昔にタイムスリップして行くようで、ワクワクする。
しかし、ストイックになりすぎる事は、結局脆さが出てくるもので、基本は「楽しむ」事

自分を出す楽しみ
自転車は、眠る潜在意識をたたき起こしてくれる道具
でも、速く走る事ばかりとらわれていては、見えなくなってしまうものもある。
でも、人は何時でも進化したいもの
乗鞍の魅力、存分に味わいました。
この一日があることで、普段の生活の意識も変ってくる。
そして、また一年後、ここに来るとその答えが現れる。
上ってる間が楽しいなんて思う人は、例えクライマーでもなかなか居ないと思うけれど、全てをひっくるめて、やっぱりヒルクライムは楽しい
それは、達成感だったり、充実感だったり
結果もそうだし、ゴールする事も勿論大事な事なのだけれど、それまでの過程があるからこそ達成感を味わえるわけだし、ゴールから見る同じ景色だって、バスで上ってみるのと、自分の力で上って見るのとでは、感動も全く違う
何と言っても、この大会をターゲットに、一緒に走ってきた人達や仲間が、ことごとくタイムを更新し、好成績を上げた事は何より嬉しい。
そうは言っても、自分自身は大した過程を積んだ訳でもないのに、これだけ充実できたのだから、しっかりプロセスをこなせれば、達成感は更に増す筈
レースじゃなくても、トレーニングでも、例えば○○岩TTをやり、妥協することなく全てを出し切れた日は、気持ちの良い疲労感、一日がとってもハッピー

次の目標は、○○岩3分台!






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