第15回 アジア マウンテンバイク選手権



開催場所:マレーシア・マラッカ

大会期間:200911月5日〜8日
XCO日時:11月8日   天候:晴れ  気温:33
コースコンディション:ほぼドライ

会場:Batanical Park

使用バイク: SPECIALIZED S-Works Era FSR Carbon
使用タイヤ:

前後SPECIALIZED S-Works THE CAPTAIN (1.8気圧)

●アイウェア: adidas スーパーNova





◆中込 由香里

大会前に行われたオープニングパーティー

アジア選手権も15回目を迎える事となるが、第1回は日本の愛知県豊田で行われ、谷川可奈子選手(現;小林)、橋本聖子選手と一緒に出場した事がついこの前の事のように思える。
7年ぶりにアジアで戦うレース
長い間、日本チームがアジア選手権で善戦したり苦戦したりしているのを、日本から応援する事しか出来ずにいたが、今回はJAPANチームの一員として戦う事となり、代表になる事が普通だった数年前よりも、日本代表という事に対しての、うれしさと重みを感じての参戦だった。

アジア選代表の通達を受けたのは、大会の約1ヵ月前。
しかし、絶対に頑張りたいという気持ちとは裏腹に、体調が優れなかったり、疲れがうまく取れずに良いトレーニングが出来なかったりと、うまく進まない日々が続いた。
こりもあったが、そんな中でも出来るだけの事をやっていく中で、少しづつ調子も上向きになっていくのを感じながら現地入り出来た。

現地に入り、試走は3日間出来た。
10年前にマラッカの同じ会場でアジア選の経験があり、その時はカラカラだったコースに前日大きなスコールがあり、レース当日はツルツルで転びまくった大変なレースだった。
今回のコースは、公園の敷地内にあり、高低差は殆ど無くシングル率が高い。
2つのシングルループを、踏み踏みの舗装路とジープロードで繋ぐ感じだ。
雨季であるこの季節は、毎日大抵スコールがくるらしく、試走初日のシングル内はウエットで、乗れない所もあるが、ツルツル度はノーマル程度。
ウエットレースを覚悟していたが、奇跡的?に金土日曜日のレースまでスコールも無く、コース状況はドンドン良くなっていった。

試走で泥だらけになったバイクは、毎日メカニックが綺麗にしてくれ、不具合も調整してもらって、大変心強く、選手は走る事だけに専念させてもらえて、コンディションも上手く整えていけた。
暑さもさほど強烈ではなく、体も良く動いてくれた。

今回は、同じレースに臨むのは片山選手と2人。
同じ部屋で、試走もペースが合う時は一緒に走り、世界を目指し、志の高い選手と一緒にレースに臨む事はとても心地よかった。
また、ペースの違う男子選手も、初日の最初は一緒に走ってもらって、見本を見せてもらったり、コースどりを教えてもらったりと、とても参考にさせてもらえた。

試走では、レース当日少しでも速く走れるように、体力面と相談しながら、部分練習と、スムーズにスピードを上げて走れる感じを掴んでいった。

レース当日。
体調も気持ちも充実。
天気も良く、今ある最高の状態で迎えることが出来た。
午前中に行われた、ジュニアのラップが予想より速かったらしく、5周予定だった女子のレースは、直前に6周に変更された。

舗装路をスタートし、100mもしないでオフロードに入る。
オフロードに入ると当然前の選手を抜きにくくなるし、その先は完全にシングルになっているので、スタートはとても大切だ。

スタートでマレーシアの選手が勢い良く飛び出し、中国レン、一人おいて日本梨絵、二人おいて私。
完全なシングルに入るまでに、レン、梨絵、マレーシアとインドネシア、私、中国リュウの順。
少し難しいセクションにきて、「マレーシアとインドネシア、うまくいってくれよ」と思っていたら、根っこを通過して後輪が上がった状態でバーエンドが金網にひっかかり、ジャックナイフのような状態で空中停止。
後ろにいた、リュウもまきぞい食って停止。
中国の前に入れていたので、まあ良かった。「無意識アシスト出来てるじゃん」
すぐに前の二人には追いつくが、シングルの上り返し、キャンバー部分を押している。
普通なら乗れるけど押すしかない。
後のリュウも前に行きたそうだけど行けない。
ここは、リュウだけは前に行かさないように注意しながら、前に合わせていく。

Photo:WONG Ho Fai
   
  Photo:WONG Ho Fai

シングル第1ループを終えると、ジープロードに入り、しびれをきらしたように、リュウがスピードをあげてとばしていく。
離されないように、後に続くものの、第1フィードを過ぎた後の左コーナーで、オーバースピードでコースロープの外へ。
テープに阻まれ、バイクから降りるはめに。2人にも抜かされ、間が開く。
「バカ!もったいない!」
気を取り直して前を追う。

1周目を終え、6位。
前の二人は、開けた所で確認出来るが、1〜3位は見えない。
単独走なので、出せる自分のペースで前を追う。


2周目を終え、同じく6位。
前の二人は、次の周で捕らえられる感じだったので、3位とのタイム差を聞いてメダルを追いかける。
後半シングルで2人に追いつき、舗装路に出た所で前に出る。

3周目を終え、4位。
中国以外の国が前にいなくなり、プレッシャーから開放された。
残り半分。後半は強いはず。メダルが欲しい。
自分の息がかなり荒くなってきた。
暑さのせいか、シングルで整えようと思っても、息が声になって全然整わない。
それでも、ペースは保てているし、集中も出来ていて、まだまだそのまま押していける感じ。

Photo:WONG Ho Fai
4〜6周。
一次、3位との差が少し詰まったようだが、1分〜2分弱の差が続く。
自分のペースは何とか保てているが、それ以上は上げられない。
暑さで、相手がペースダウンするかもしれないし、ミスやトラブルがあるかもしれない、と思いながらとにかくメダルを諦めず、前へ前へと進んでいく。
最終周の最後の舗装路に出て、やはり前に中国の姿はなかった。
「メダルは無理だった。でも、ここを上りきれば、ゴールだ。もうすぐ楽になれる。少しでも少ないタイム差でゴールしよう」
そしてゴール。
終わった。
決して満足は出来ないけれど、力を出し切れたかなり満足度の高いレースが出来た。
昨日レースを終えた日本のダウンヒル選手達が、フィードを手伝ってくれたり、皆で応援してくれたのもうれしかった。

    

今回出場していた中国の2人の女子選手はワールドカップ優勝経験もある世界のトップクラスの選手だ。
今回は、2人は2人のベストパフォーマンスからは程遠い状態ではあると思うが、それでもその2人を相手に日本は善戦出来た。
片山選手は特に良い走りをしたと思う。
私自身もベストを尽くせたし、自分の中で良い走りが出来たと思うが、片山選手とのタイム差は日本のレースより大きい。
日本では出し切れない、本気の力をこうしたアジア選や世界選で発揮出来る片山選手の力を頼もしく感じた。
金メダルには届かなかったけど、すばらしい銀メダルだったと思う。
日本では、彼女一人が突き進んでいる状況。
アジアのレベルも確実に上がっている。
この先、アジア選やアジア大会など戦っていく為に、少なくとも今回のマレーシアの選手のようにスタートで飛び出す事が出来たり、1周だけでも片山選手と同じ位置で走れるような選手が日本から出てこないと、日本はますます厳しい状況に陥っていくだろう。
色んな面で他のアジア諸国よりも恵まれている日本選手は、もっともっと出来るはずだし、やらなければいけないはずだ。
自分自身、年齢が一回り以上違う、または自分の人生の半分もいきていない選手達の中で戦わなければならないわけで、疑問も感じる所はあるけれど、もう出来る事が無いとは思えない。

これで、今シーズンのレースすべてが終了しました。
応援して下さった皆様のお陰で、頑張って走りきる事が出来ました。
どうもありがとうございました。

来る、来シーズンをどう取り組むか、自分のすべき事、したい事、少し色々整理しながら、また前進していきたいと思います。



◆Resalt
 XCO EliteWomen
1位  Chengyuan, Ren  China  1時間41分42秒
2位  Katayama, Rie  Japan  1時間44分58秒
3位  Ying, Liu  China  1時間51分07秒
4位  Nakagome, Yukari  Japan  1時間52分49秒
 XCO EliteMen
1位  Yamamoto, Kohei  Japan  1時間45分59秒
2位  Chung Hing  Hong Kong, China  1時間46分11秒
3位  Kazantsev, Kirill  Kazakhstan  1時間48分00秒


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