TAIWAN KOM challenge 2019
日時:
2019
年
10
月
25
日(金)
天候:曇り時々晴れ一時霧雨
気温
:
スタート22℃〜ゴール13℃
日の出と共に700人以上の選手が一斉にスタート
臺灣自行車登山王挑戰 Taiwan KOM Challenge
開催地:台湾 花蓮、太魯閣、武嶺
標高0〜3275m 距離105km 最大勾配27%
主催: 中華民国自行車騎士協会
監修:運輸省コミュニケーションROC、観光局MOTC ROC、
花蓮県政府、南投県政府
アシスタント:高速道路ROC総局、東石の森地区事務所
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バイク:
SPECIALIZED S-Works Tarmac Women
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ホイール:
Roval CLX 32 Tubular
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タイヤ:
S-WORKS TURBO TUBULAR TIRE 28x24mm
●ウェア:
WAVE ONE デュアルスーツ
●ペダル:
Look KEO 2MAX carbon
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ヘルメット
:
SPECIALIZED S-Woeks Previl II
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アイウェア
:
adidas EVIL EYE HALFRIM PRO
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シューズ:
SPECIALIZED S-WORKS 7
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コンディショニング
:
K2ヘルス&フィットネス八ヶ岳えっちゅう
世界最強C.C.C女子チーム参戦
臺灣自行車登山王挑戰 Taiwan KOM Challenge
標高0m→3250m 、最大勾配27%、105kmにわたる世界最高峰のヒルクライムレース。
4回目の挑戦となり、毎年恒例のビッグイベントとなってしまった感のある、今、最も挑戦しがいがありワクワク出来る大会だ。
まずは今年もこの大会に思い切り挑戦出来た事、元気にスタートラインに立てた事、無事にゴール出来た事に感謝したい。
臺灣自行車登山王挑戰 Taiwan KOM Challenge
朝6:00
44カ国から集まった700人以上のライダーが一斉にスタート。
その中に79人の女性ライダーが含まれている。
大集団で進んでいくパレード区間の18kmが終わるとペースが上がり、少しずつ先頭集団が小さくなっていく。
先頭集団を離れてからは、誰かに追い付いたり追い付かれたりしながら時々グループとなって、出来るだけ単独走は避けて、力の合う選手とは協力してレースを進めていくが、今年は例年より1人で走る時間が長くなってしまった。
長い長いレース。
その道中には喜びもあるし、色々な事が起こり、心の葛藤もある。
途中、霧が出て周りが全然見えなくなって身体も冷えてきたかと思うと太陽が顔を出したり。
付いて来い!という感じで引いてくれる人がいたり、知り合いと一緒になったり。
3年前、足がつってどうしようもない時に助けてくれて知り合った台湾のリンさんがサポートカーから応援してくれたり。
足がやばい感じになったり少しましになったり。
身体が痺れてきて弱気になったり、大丈夫だと言い聞かせたり。
こんなきついレースを同じ女性ライダーと競って走っている感じもたまらない。
太魯閣大橋を渡ると、リアルスタート!
臺灣自行車登山王挑戰 Taiwan KOM Challenge
キツかった。確か昨年も一昨年もその前も、どれもどれもキツかった。でもキツかった事は忘れてしまうのかな?走ってみて思い出す?
やっぱりキツいレースです。
自分を出し切り、ゴールしてもうこれ以上走れないという「ゴール」という感覚が格別なレース。
そこにまず1つの満足感がある。
次に、どれだけ上手く速く楽しく走れたか、かな?
今年のレースは走っている感覚と実際の走りにかなりギャップがあった感じがする。
普段から数字を見ながら走る事は少ないけれど、このレースは特に数字は何も見ないで走る。見ると何か余計な思考が働いてしまうから。
全ての選手が入り乱れて走っているので、自分が女子選手の中の何番手を走っているのかもいつも解らない。
一昨年と昨年は自分でも最高の走りが出来たと思ったけれど、昨年のペースはそんなに速くない感じがしていたので、前年の自己記録を7分も更新していたのは驚きだったし、5位入賞もビックリだった。
今年は昨年と同じ位走れる状態で大会に臨めたと思うし、先頭集団で走れた距離は昨年よりかなり短かったけれど、それは先頭集団のペースが速いからで、自分自身は昨年と同等位に走れてゴール出来たかなという感じだった。
ところが今年は13位、タイムは昨年より19分も遅かったので、少しショックだった。
昨年、台の上から見た景色を今年は下から見ていた。
初めて出場した3年前、私は大失速してしまったけれど、途中までかなり一緒に走っていた台湾の若い選手がその時3位だった。
一昨年と昨年は私が入賞し、彼女はきっと悔しい思いをしていたと思うけれど、今回彼女がCCCの選手4人と一緒に表彰台に上がっていた。
それを見て私は悔しくもあり、嬉しくもあった。
表彰台の選手達は眩しかった。
タイムトライアルではないので、集団に上手く乗れたり、力の合うグループで走れたりするかしないか、タイムは運も大きく左右するし、参加メンバーによって順位も大きく変わるので比較する事は出来ないし、どちらが良かったか悪かったかという物では無い。
でも相対的に見て自分の走りがどうであったかは大体計れる。
今回はこんなものだったんだなと。
1回目、2回目、3回目、そして今回、頂上で何を思っていたか。考えていたか。毎回違って見える景色。
ゴールした満足感はあるものの、頂上で過ごした時間は過去3回に比べると今回は大きな感情が沸いてこなかった。霧に包まれた頂上の景色そのもののように。
レースの夜は様々な事が頭に浮かび、興奮して、疲れて眠いのにあまり眠れない。
今回もしかり。
今年得た物は何?
1年間、ここをピークに考えてやってきたのだから、得た物を見つけられない程勿体ない事はない。
KOMを走ったレースの夜に、走ったレースを最も振り返り、1年後に向かってどうトレーニングしていくかその夜に考えていたのは初めてのような気がする。
「~したい!」と強く思う、刺激を大きく受けていた今大会だったなと思う。
それは世界最強のワールドツアー女子ロードチームの1つであるCCCが6名で参戦してきた事が大きいと思う。
私が初参戦した3年前から世界選手権のメダリストであるエマ・プーリー選手など偉大な選手が参加していたが、今回はチーム参戦で、彼女達が身にまとっているオレンジ色のウェアーが存在を際立たせていた。
実際に見る彼女達の姿は、映像で見ている以上に美しくカッコいい。顔もスタイルも姿勢も。
前日のレセプションで紹介されたのは、南アフリカチャンピオンのアシュレイ選手と十数年も世界のトップを走り続けているスーパースターであるマリアンヌ・フォス選手だった。
フォス選手の世界タイトルをとる場面は何度も何度も見てきた。
私が自転車レースを始めた時から憧れていた世界を、今現在走っているトップ選手達がここにいる。世界に自分の身を置く事は出来なくても、ここで彼女達と同じレースを走れるというのは夢のようでもある。
途中天気が急変、濃霧に包まれる。
臺灣自行車登山王挑戰 Taiwan KOM Challenge
今回のレース、ローリング区間から私が先頭集団から離れるまで、鮮やかなオレンジウェアーは集団の前方でレースを進めていた。
全ての選手が一斉にスタートして、男子の偉大な選手達も大勢走っている中で、彼女達の存在感はとても大きく、彼女達の誇りのような物を感じていた。
CCCのメンバーにとって、メンバーによって取り組み方も違うと思うが、メンバーの1人と一緒に走れる時間を多く持てた。
およそ90km地点にある最終補給ポイントを彼女ともう1人の女性ライダーと私の3人で越えた。(そこまで3人が一緒だったという事ではないが)
そこから先はキツイ激坂が何度も何度も現れて、自分が走る事だけで精一杯の状態になるのだが、視界に見える彼女達の存在は大きく、一緒に苦しんでいる、一緒に頑張っているという感覚がとても励みになった。
アシュレイ選手やフォス選手と実際に走ると、あんな風に走りたい、という気持ちは更に大きくなる。
でも、あんな風に走るには、どれだけの事が出来ないとならないか想像は出来る。
それが出来ないなら諦める?
あんな風には出来なくても、少しでも近づけるように頑張る?
憧れや理想に少しでも近づきたいという気持ちは、例え離れていっても一生持ち続ける物なんだろなと思う。
なら、出来るだけの事はやろうじゃないか。
で、ここからどうするの?
1年間で多くの事は出来ない。
KOMをより速く走るには、強い強度と沢山の量のトレーニングが必要であるが、今の身体で出来る事は限られている。
限られた時間の中で出来る事。
やり方。
自分で考え、取り組める事、それがまた楽しい。
具体的に練っていきたい。
今思うに、昨年はこのレースでの満足感が大きくて、それより上を求めて考える事を怠ってしまったように思う。
一昨年ゴールした時に「これ以上上手くも速くも走れない」と思ったのに、昨年はそれが出来て、「なんだ、出来たじゃないか。もっと出来そう」という軽い気持ちがそうさせてしまったようにも思う。
勿論、このレースに向けて精一杯の取り組みはしてきたけれど。
もっとストイックにやる、という事ではなくて。
1つ思うのは、これだけ長年考えて走って考えて走ってしてきた身体は、やっているトレーニングが自然と負荷が掛からないトレーニングになってしまっている部分が大きいだろうという事。効率良く出来るだけ楽に走ってしまっている。
それは大切な事でもあるけれど、負荷のかけ方をもっと考えないといけない。
身体を壊してしまわないようにトレーニングしなければならないが、破壊無しに超回復は望めない。
自然に成長出来る時期と自然に衰えていく時期。今は自然に従っていけば体力面は衰えていくのが必然。自然に従うべき所と抗うべき所、その調和。
色んなバランスを大切にして、脳と心と身体と、様々な連動。
追い求める物、地道にやる事。
インスピレーション、やってみる事、試行錯誤。
理想のイメージを描きながら。
バラバラに書いてしまったけれど、それらを具体的にしていこう。
ワクワクしながら。
1時間~1時間半で終わるレースとは違って、ここのレースには様々なドラマと可能性がまだまだあると感じている。
初参加の時から1つのテーマとしてきた「渡り鳥の領域」。追い求めたい野生動物の動き。自然との融合。そうした物ともっと現実的なイメージと日々のトレーニングとの両方を大切に突き進みたい。
今年の私のレースはこれで終了です。応援、サポートありがとうございました。
あー、何でこんなにハマってしまう苦しいレースに出会ってしまったのだろう?それはもう最高!
・足攣り対策
このレースだけは欠かせない物となっている「ORS」
今回は2本持参した水のボトルの1本にORSのタブを2個入れ、ポケットに3個持っていった。
足が攣りそうになった時にタブはそのまま口に入れる。
レース中盤に3個共使用してしまったが、お陰で完全に攣ってしまう事を避けられたと思う。
足攣り対策として「マグネシウムローション」も活用。レース2日前の夜、レース前日、レース前に足と腰に擦り込んだ。
・コンディショニング
「スキンストレッチ」も必需品。
これは日常から手離せない。違和感のある箇所、整えておきたい箇所をチャチャっと摩るだけで効果大。遠征疲れには頭や顔を摩るとかなりスキッとした感じが得られる。
今回も沢山活用した。
◆Resalt
●男子総合
1位
Anthon Charmig
2位
Benjamin Dyball
3位
Pierpaolo Ficara
●女子総合
1位
Ashleigh Moolman-Pasio
2位
Marianne Vos
3位
Kate Agnes Mcilroy
13位
Yukari Nakagome
臺灣自行車登山王挑戰 Taiwan KOM Challenge