2001 MTB世界選手権 in Vail/USA | |
※更に詳しいレポートは、ファンライド誌11月号を御覧下さい!
●最終日クロスカントリー 2001/09/16 晴れ時々小雨 気温15〜20℃ 一時コースショートカットという話しもあったXCだが、また変更になり、結局当初予定していた13.5kmのフルコースを使用することになった。 コースは3つのループに分れ、第1ループは舗装路を含む、比較的単調な上りと下りで構成されている。 ただし一周が長い為、周回の仕方が少々複雑になっている。 女子シニアと男子ジュニアが第2+第3ループ+フルコース2周 男子シニアとアンダー23がスタートループ+フルコース3周となっている。 テロ事件により、急遽行われた追悼式の為、金曜に予定されていたXCのレース全てが日曜に延期になり、男子シニアのスタートはPM4時となった。 中にはアンダー23とジュニアだけエントリーの国もあり、この国は残念ながらレースに参加する事が出来ずに帰国する事となってしまった。 男子レースが終了したのが、午後7時前 そう、日没とほぼ同じ時間である。 そして我々がここのホテルを出発するのが、AM2時半。既に1時半・・・勿論寝る時間はない。と言うより、寝なくても間に合わないかもしれない。早く荷物をまとめないとー まだまだ世界戦は終わってない!頑張るぞー という訳で、詳しいレポートは帰国後 |
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●XCシニアMen 日も傾きかけたPM4時、今大会最後のレースXCシニアMenがスタートした。 最初の林道を先頭で行くのは、昨年のアンダー23の覇者ヘルミダ。がその後、マイペースで上がってきて、そのまま独走体制に入りそうな勢いで、先頭を行くのは、バスバンドーレン しかし、バスはこの後下りセクションでクラッシュし、脳震盪を起こして戦線離脱。優勝候補が一人消えてしまった。 スピードの上がらない長いのぼりと、シングル中心の荒れた下りの為か、高地であっても集団はばらけ辛い。 1周目、ラスムセン、グリーン、サウザー、カシ、ヘルミダ、エバンスの6人が先頭で通過。その後も集団がつづく。 中盤、スピードを上げるキーボード屋・緑と史上最短の世界チャンピオンとなり王者奪回に燃えるラスムセンの一騎打ちとなる。 しかし、今期絶好調で波に乗ってるグリーンに、ラスムセンもジリジリト引き離され始める。 その後、ラスムセンのパンクで、グリーン優勝は決定的となり、今期ワールドカップ総合、チームリレーに続き、XCをもチャンピオンを獲得し、真の王者の仲間入りを果たした。 |
●XCシニアWomen 長い林道の上りを、キャロラインを先頭に集団が続く。 1周目、復活を思わせるような走りで、トップを独走してきたのは、アリソンサイダー しかし中盤、先頭はガンリタダールに入れ替わる。 昨年シドニーを狙い、低圧酸素室を使用したトレーニングに失敗し、一時は再起不能と言われたガンリタであったが、ここ高地の世界戦で、見事に復活してきた。 しかし、最終周回で痛恨のパンク! 穴が大きく直す事が出来ず、リタイヤとなってしまった。 その情報を知らない地元の大応援団の中の眼に、最初に飛び込んで来たのはダンロップだった! 夢の実現に向け、必死にペダルを踏むダンロップ。 ゴール前、割れんばかりの大歓声の中を、大きな星条旗を片手に、アリソンダンロップがトップフィニッシュ!信じられないとばかり、そのままゴールにしゃがみ込む 地元開催に、シドニーオリンピックよりも今年の世界戦に最も重点を置いていたアリソンダンロップ 悲願の世界チャンピオン獲得となった。 ムービー アリソンダンロップ星条旗を片手にゴールシーンはこちら(89KB) |
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●XCアンダー23 マルチネス、エバンス、マルコブイ、ヘルミダ・・・とビックスターが抜けてしまった今年、逆に今回のアンダー23は、全く予想の付かない混戦を模様した。 そんな中、終始トップを快調に飛ばすフランスのアブソロンが優勝を飾った。 日本の小笠原は、冷静なスタートを切ったものの、2km地点のシングルに入る所で、他選手に弾かれた際、コース脇の石にタイヤをヒットさせてしまい、チューブレスがエア漏れを起こし、残念ながらDNFとなってしまった。
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●喪章 一連のテロ事件により、一時開催が危ぶまれた今年の世界戦であったが、不幸にも犠牲になってしまった人々を弔う意味を込め、世界戦とUCIのフラッグには黒い喪章が、選手のゼッケンの左下には黒のシールが貼られレースは行われた。 シールを貼るさいに、選手一人一人に「貼っても良いか」の確認が取られる。勿論、拒む選手はいない。 |
●マルチネス世界戦日帰り参戦? イタリアの山中で高地トレーニングをこなし、世界戦に直前入りを考えていたミゲール・マルチネスであったが、テロ事件の影響で、何と当日の飛行機で到着となってしまった。 辰「ボンジュール、ミゲール!何時来たの?」 M「さっき飛行機で着いたんだよ!バイクもなければ、荷物も、ヘルメットも何にもなしだよ。フーッ、全く参ったよ」 バイクも借り物にガムテープでマーキング、ヘルメットも借り物、シューズだけは持参した模様。 そこまでしても、来てしまうのが、さすがマルチン。 しかし、さすがのマルチンも、このあまりにも強硬なスケジュールでは、レースにならなかった様だ。 |
●末政美緒、世界チャンピオンに輝く! 2001/09/15 晴れ 気温27℃ ダウンヒルJr Womenクラスで、日本の末政美緒選手が世界チャンピオンに輝いた。 予選トップの末政は、最終のスタートとなり、タイムを更に13秒更新、2位に約1秒、日本人初のアルカンシェル獲得となった。 「信じられない」両親と抱き合い涙を流す末政 君が代が世界の舞台に流れた。 昔々、末政と同じ18歳のある日本の選手は、ロードとトラックのJr世界戦の代表となり、東ドイツ、ソ連と並んで、優勝候補に上げられた。 しかし結果は、東ドイツ優勝、ソ連2位、そしてその選手は、プレッシャーに押しつぶされ惨敗という結果に終わった。 「世界チャンピオンは、これから幾らでもチャンスがあるさ」 その時は軽く感じていた世界チャンピオンの重みを、それから長い年月が過ぎ、果てしない物となっていた。 そして今日、忘れかけていたそんな思いを晴らしてくれたかのような一日となった。涙、涙・・・ |
ムービー 君が代流れる表彰式はこちら(997KB) |
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●DHシニア 5mはありそうなドロップオフ、前の見えない壁のような下りと、かなり激しくハイテクニカルな今回のコース 最初にスタートした女子は、予選でクラッシュしたミッシーが、1番スタート!地元開催での世界戦ではあったが、ゴール前の゛壁゛で大クラッシュ!DNFとなってしまった。 中盤にスタートしたドノバンが、ホットシートをキープ がしかし、今年もやはり最終走者ショソンが2位に5秒の大差を付け、シニア6連覇を飾った。 一方、男子はコラード、ロックウェル、ポリックとホットシートは目まぐるしく入れ替わるが、ラス4でスタートしたニコが、あっさりとタイムを大幅更新!最終走者のピートも善戦した物の、わずかにとどかず、2年ぶりで再びニコがチャンピオンとなった。 |
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ムービー チームリレーゴールシーンはこちら |
●チームリレー 2001/09/13 晴れのち曇 27℃ 最初の種目チームリレー このチームリレーはジュニア、アンダー23、シニアメン、シニアウーメンで1チームが構成され、順番は自由。しかし、この順番が勝敗のカギを握り、各チームとも、相手チームの出方を伺いながら、作戦をたてる。 今年で3回目のこのレース。まだ馴染みは薄いが、XC系のレースの中では、最も順位の入れ替わりが激しく、見ごたえがある。 駅伝好きの日本人好みのレースだが、残念ながら今回は日本はエントリーしていない。 今回はテロ事件の影響もあってか、エントリー国は少なく、12ヶ国の出場に留まった。 第一走者12名でスタートしたレースは、一周目カナダを先頭に、アメリカ、スイスと続く カナダの2番手、ローランド・グリーンが決定的なタイム差を付け、最終走者クリスティーナ・レデンへと繋いだ。 最終走者に女子を置いてきているチームが多く、好調のレデンが有力であるものの、5分後に3連覇のかかったスペイン・ヘルミダ、その後オーストラリア・エバンスがスタート! その差はグングン詰まる物のわずかに届かず、カナダが初めてのワールドチャンピオンのゴールを切った。 激しい2位争いはエバンスが取り、オーストラリア2位、3位はマーガ欠場が大きく響いたスペインとなった。 |
●DHジュニア女子 末政シーディングランでトップ! DHのスタートポジションを決めるシーディングランで、末政美緒が4分43秒のトップタイムをたたき出した! シニアトップのショソンとも、わずか25秒差 決勝は土曜日!遂に世界の舞台で君が代が流れる日が来るのか しかし、ここは興奮する気持を押さえ・・・とはいっても土曜のレースに大いに期待したい! ●明日のレースは全てキャンセル 突然、今日午後の発表で、「国全体での追悼式が行われる為、明日のレーススケジュール及びトレーニングは全て中止」と言う事になった。 これにより、明日予定されていたXCアンダー23、ジュニア男女のレースは全て日曜に延期になった。 その為、現在出されている暫定的なスケジュールでは、日曜の最終レース、シニアメンのスタートはPM4時 しかも、今日の午後から天気は荒れるという予報 世界戦が荒れるのは良くある事ではあるものの、ここまで波乱万丈な世界戦は初めてかもしれない。 |
●2001世界選手権開幕! 2001/09/12 晴れ 気温27℃ 昨日おきた史上最悪のテロ事件は、まるで夢の出来事であったかのように、ここベイルの街は穏やかに、開幕の時を向えた。 街は今日一日で、大会ムード一色となり、開会式もあの多くの犠牲者を出した痛ましい事件に対し、黙祷をした後、当初の予定より短縮し行われ、いよいよ明日からのレースを向えるまでとなった。 一方、勿論あれだけの大事件があった以上、何事もなかった訳ではない。 優勝候補筆頭に上げられるミゲール・マルチネスは、昨年同様、レース直前までイタリア山中で調整をしていた為、イタリアで足止め。 3連覇のかかっていたマルガリータ・フラニャは、体調不良の為、欠場の模様。またアメリカ選手達も陸送しながらベイルへ向った選手も多い。 |
●秘密兵器 特にアメリカの会場に来ると、障害を持つ人を見かける事が多い。 しかし、その人達からは、痛々しさや悲壮感の様な物は、ほとんど感じられづ、むしろその積極的な生き方に勇気付けられる事がある。 この人は見ての通り義足だが、カーボンボディにエアーのサスユニットが取付けられている。 ユーモアも含んでいるのではと思うが、全く障害を感じさせないこういったライフスタイルも、さすがアメリカ人ならではと言えるだろう。 |
●2002ロックショックス 遂にそのベールを脱いだ、究極のサスペンション カーボンクラウン仕様、重量1kg、スケルトンレバーのロックアウト付ブラックボックスを搭載した、正に行き着く所まで来たと言えそうな、2002ロックショックス 今年のWcupで、男女それぞれ総合優勝した、バーバラ・ブラッターやローランド・グリーン等、まだ本当に一握りの選手しか取り付けられていない。 来年日本でブレイクする事も、間違えないだろう。 |
●ご心配なく 2001/09/11 晴れ 気温23℃ 今朝、大変な事が起こった様ですが、皆無事です。と言うより、日本からのニュースでこの大事件を知ったという感じで、こちらコロラドの田舎町では、今の所何事もなかったかの様に、平穏に動いています。 こちら選手団も、ニュースに釘付けですが、恐らく日本国内の方が大変な騒ぎになっているのではと思います。 正し、この余波がこれからどうなるかが非常に心配です。 今の所、明日の開会式は短縮して行われ、チームリレーは木曜に延期になりました。 ただ、月曜日に帰れるかどうか?それは非常に問題です。 |
●コースプラクティス 2001/09/10 晴れ 気温19℃ 今日はコース試走へ行った。 当初、一周11kmのコースが、昨日のミーティングで1ループカットになり、7kmに変更と言う発表があった。 スタート地点で既に2500mある標高を、更にスタートから3km程ダラダラと登る。 コースは2つのループに分かれているが、前半のループがコースの大半をしめている。 確かに酸素は薄いものの、高地民族の我々(?)にとっては、それ程気にならない。 下りは木の根や岩が露出している所が多く、またオランダチームとかは1周間前から現地入りしている事もあって、既に掘れて来ていて、それなりにテクニカルである。 全体的な構成は、やはりアメリカンな感じ 写真の地点は、最もテクニカルなロックアウトセクション しかし、世界戦が他の大会と違うことは、試走日数が長いという事。 つまり、コースは益々荒れて、何でもない所がテクニカルになり、Rサスが欲しいくらいになるのが、例年の傾向である。 途中ベイルの街中を走り抜け、見せる部分もしっかり心得ている。 さすがは2回目の世界戦を向えるだけあって、モンサンタンを越える運営をも期待したい。 |
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